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残業で「1日の生産性」は上がるのか?

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ジェリー・ワインバーグは、プログラマにとってのデスマーチがどのようなものかを端的に説明している。

人は、期限通りに仕事をするために多くの残業をするのではなく、仕事が期限通りにできそうもないことがわかったときに、非難から身を守るために残業するのだ。 *1

この考え方は、その通りだと思う。

トム・デマルコ著「ゆとりの法則 (Slack)」を読んでなるほどと思ったのが、残業にまつわる話だった。

  • ごく短期間だけ全力ダッシュで作業をすすめる「スプリント」と、そうでない「だらだらとした時間外労働」は別物。前者はその瞬間だけ作業量を増やせるが、後者はそうはいかない
  • 知識労働の生産性は、時間ではなく日数による。つまり、1日の労働時間を増やしても1日あたりの生産性は上がらない

デスマーチに馴染んでしまっていると、この考え方はなかなか理解し難いのかもしれない。

「12時間かかる? じゃあ4時間残業すれば1日で終わるね」とか、そういう感じだ。

こうなると、品質は下がっていき、あるいは未完成の部分が隠されて、プロジェクトは進んでいく。

時間外労働と生産性や品質との関係について、計測していたり、教育していたりするところは、あるだろうか? 少なくとも私が担当したプロジェクトでは一切なかった。

エドワード・ヨードン著「デスマーチ」によれば、システム開発プロジェクトに携わる以上、政治的ないざこざは避けられないという。「残業」も、体を張った政治的なパフォーマンスなのだろうか。